Edipit

  • お問合せ
  • プライバシーポリシー

3dlutcreatorブログ

CalMANオートキャリブレーション【AutoCAL】

2017.08.14

ディスプレイキャリブレーションにおいて、ブロードキャストモニターと比較すると、民生テレビ(フラットパネルディスプレイ)のキャリブレーションは一段難易度が上がります。元来プレーンで高品質なブロードキャストモニターは、エンジニアがカラーバーを使って知覚的にブライトネス、コントラスト、クロマ・フェーズを調整すれば”ある程度の精度”のキャリブレーションが可能です。

近年のブロードキャストモニターやハイエンドのCGモニターは3DLUTのユーザーSLOTを実装し、3DLUTキャリブレーション結果の3DLUT Fileをモニター内部にアップロードもしくはファイルコピーができるようになりました。(EIZO CGモニター、NEC MultiSyncモニター、CANON DPモニター、Dolby PRMモニター、FSIモニター等)

また、3DLUTを実装をしていないブロードキャストモニターに対しても、LUT BOX 外部プロセッサーをインラインに追加配置することで、3DLUTキャリブレーションに対応できるようになりました。(is-Mini、MURIDEO PRISMA、FSI BOXI/O)

民生TVは、各メーカー毎に設定メニューや方言、独自の色調整機能、ユーザーが触れる映像コントロールの範囲が異なっており、高色域、ハイダイナミックレンジ、ドルビービジョン等の新しい技術が実装されて来たことにより、そのキャリブレーションは容易では無く、リモコンを幾度と無く操作する時間と労力は計り知れません。

SpectraCALでは2015年よりパナソニックと提携し、VIERA AX800/900においてネットワークを介して直接モニター内部をコントロール制御するオートキャリブレーション機能を実現しました。
AutoCALは、何時間も掛かるキャリブレーション作業を僅か10分以内で完了できる様になり、映像調整に関わる時間とコストを劇的に低減できるようになった訳です。


2017年5月に「サムスンQLEDテレビが世界初のHDR向けオートキャリブレーションを提供する「CalMAN ready」TVシリーズになる」との全世界に向けたニュースリリースを配信しました。高解像度(HDR)画質のオートキャリブレーションをサポートする世界で初めてのテレビであるとの主張をしていますが、タイミング的にはパナソニックDX950のHDRオートキャリブレーションが世界初となります。(サムスンのリリースが積極的だった?)※残念ながらサムズンQLEDテレビは国内未発売です。
https://news.samsung.com/global/samsung-qled-tvs-become-the-worlds-first-calman-ready-series-of-tvs-that-provide-autocalibration-for-hdr

パナソニックは少し遅れてVIERAのOLEDモデル(EZ950、EZ1000)の発売と同時に、CalMNオートキャリブレーションにより6軸色座標補正を実現しています。
http://panasonic.jp/viera/products/ez950/
http://panasonic.jp/viera/products/ez1000/

英国のHDTVテスト2017 TV Shootout の結果は、パナソニックEZ1002 OLED(海外版EZ1000) がすべてのカテゴリーで最高の総合スコアを獲得して「2017年の最優秀TV 」の最高賞を受賞しました。

放送局、ポストプロダクション、制作会社、CGの市場においては、ブロードキャストモニターの他にクライアント用モニターやプレビュー試写環境で民生TVを活用するケースが多くありますが、その為にはスタンダード基準でキャリブレーションがなされていることが重要です。複数のモニターで映像プロジェクトの共同作業をする際、色を正確に表示することは時間と費用を節約し、顧客の信頼を得ることに繋がります。
 

日本国内で購入できるCALMANオートキャリブレーションに対応する民生TVは、パナソニックVIERAのみですが、SpectraCALでは2017年より、「CalMAN ready(カルマン・レディ)」というブランディングを開始しており、オートキャリブレーションをサポートするメーカー機種を増やしつつありますので今後に期待をして下さい。