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製品情報

BenQ Palette Master Ultimateキャリブレーションガイド



Palette Master Ultimateキャリブレーションソフトウェア【無料】の概要
 
写真・動画編集向けHDR10/HLG対応のカラーマネージメントモニター「SW272U」「SW272Q」は2023年7月、8月に発売された写真・動画編集向けHDR10/HLG対応の27インチのカラーマネージメントモニターです。Adobe RGB 99%、Display P3/DCI-P3カバー率98%で、Calman VERIFIEDモデルとして平均DeltaE=1.5以下の色再現性をもっています。無償でPalette Master Ultimateソフトウェアが提供されており、ハードウエアキャリブレーションによりいつでも一貫性のある色味を保つことができます。〈キャリブレータセンサーは別売り)
プロフェッショナルな映像・音声制作現場に今まで手付かずだった作業用モニターとして、容易にモニターキャリブレーションが可能なPalette Master Ultimateにをご紹介いたします。
 
ご注意事項:

①Palette Master Ultimate は、Windows/Mac 上のカラー管理に対応する ICC プロファイルを生成して保存しグラフィックスカードのRGB出力を調整するものです。つまり、カラーグレーディングソフトウェアの出力インターフェース経由のクリーンビデオを必要とする環境では不適切です。クリーンビデオをインプットする為のキャリブレーションを行う場合はCalmanソフトウェアを使ったハードウェアキャリブレーションが必要です。Calmanキャリブレーションの完了後、結果は OSD メニューのキャリブレーション(校正) 1、2、または 3 に保存され、ICCプロファイルの影響を受けません。

②Palette Master Ultimate はHDRキャリブレーションに対応しておりません。HDRキャリブレーションを行う為にはCalmanが必要です。


 

Palette Master Ultimate 製品情報ページ

クイック・インフォメーション:
 
- Palette Master Ultimate | BenQ モニターソフトウェア ダウンロード
  対応 OS: Windows® 10/11; macOS 12.5 以上
- Palette Master Ultimate | BenQ モニターソフトウェア 日本語マニュアル
- 対応キャリブレーションセンサーリスト
  1. X-rite i1Display Pro/ Calibrite ColorChecker Display Pro/ X-rite i1Display Pro Plus /Calibrite ColorChecker Display Plus/X-rite i1Studio /Calibrite ColorChecker Studio
  2. X-rite i1Pro 2 / i1Pro 3 / i1Pro 3 Plus
- FAQ
 
■「BenQ SW272U
- 4K UHD(3840x2160)解像度
- 反射が最小限まで抑えられるAGLRパネルを採用したプロ向けAQCOLOR™シリーズモニター
- Adobe RGB 99%、Display P3/DCI-P3カバー率99%
- HDR10/HLGに対応
- 27インチモニター
 
■「BenQ SW272Q
- WQHD(2560x1440)解像度
- 反射が最小限まで抑えられるAGLRパネルを採用したプロ向けAQCOLOR™シリーズモニター
- Adobe RGB 99%、Display P3/DCI-P3カバー率98%
- HDR10に対応
- 27インチモニター

※違いは解像度とHLG対応の有無
 



https://youtu.be/OloVO0y9CO4?si=1cqI2oS4E1F7XLeF
 
 
 
以下のシステム環境で本ガイドを作成しております。
 
- BenQ SW272U
- Palette Master Ultimate for Windows バージョン: V1.1.0.0
- Windows 11
- X-rite i1Pro 3 
 

セットアップ:

・PC,MacとBenQモニターを接続する場合は付属のUSB-Cケーブルを使用することが推奨されています。又は、DPポートケーブ及びUSB(A-Bポート)ケーブルの組み合わせで接続します。
※HDMIケーブル接続はサポートされていません。※必要なケーブルはすべてモニターに付属しています。

・PC,Macと互換性のあるキャリブレーター(センサー)を接続し、モニターに配置します。
 

Palette Master Ultimateのメインページ:ハード接続



型番:接続しているモニターを選択スキャンして接続します。接続できない場合はケーブル等を確認して下さい。
キャリブレーター:
!マーク:ソフトウェア情報
開始:モニターとキャリブレータが接続されていおる場合に開始できます
機能リスト:

ー色調整:初回はこちらの色調整から開始します。
ー高度な色調整:キャリブレーション結果に対して更に目視による色調整を行います。
ー検証:
 

モニター設定:キャリブレーションターゲットの選択



キャリブレーションターゲットは予めプリセットされています。Rec.709の輝度をスタジオ基準の100 cd/㎡にする為にはターゲット編集ボタンを押し、ルミナンスを変更してターゲット保存ボタンを押してカスタムプリセットとして追加します。
 
カラーモード色域 色域 ホワイトポイント 輝度 ガンマ ブラックポイント
写真 (Adobe RGB)  Adobe RGB  D65 120 2.2 絶対ゼロ
Web デザイン (sRGB)  sRGB D65 120 2.2 絶対ゼロ
Web デザイン (Display P3)  P3 D65 120 2.2 絶対ゼロ
ソフトプルーフ (Adobe RGB)  Adobe RGB D50 160 L* 絶対ゼロ
映画 (P3-D65)  P3 D65 120 sRGB 絶対ゼロ
映画 (DCI-P3) P3 DCI-P3 48 2.6 絶対ゼロ
動画編集 (Rec. 709) Rec.709 D65 80 2.4 絶対ゼロ




強化版ガンマについて:
強化版ガンマ補正を選択すると、グレイスケールのキャリブレーションを向上させることができます。ただし、キャリブレーションにはより時間がかかります。

 

モニター設定:校正モードの選択

校正モードは3つ用意されています。
キャリブレーション結果はICCプロファイルとしてPC、MacのOS配下に格納され、モニターの校正モードとしてプリセットされ呼び出すことができます
どれか1つを選択し次へ進みます。



 




注意事項の説明:ヒートランの実施、HDMIケーブル非推奨、スクリーンセイバーOFF等
ICCバージョン:通常はV4を選択します。
ICCプロファイル名:キャリブレーションを実行すると自動的にパラメーター値を含んだ名前が生成され、デフォルトのフォルダに保存されます。
 
ICC プロファイルのファイル名には、次の情報が含まれます。
• モニターの型番
• キャリブレーションモード
• 輝度
• ホワイトポイント
• 色域
• ガンマ
• ブラックポイント
• キャリブレーション日時
 
デフォルトのフォルダ:
 
• Mac 環境:Mac HD/Library/ColorSync/Profiles
• Windows 環境:C:\Windows\System32\spool\drivers\color
 
コンピュータに適用されている現在の ICC プロファイルをシステム上で探してください。フォルダ名はオペレーティングシステムによって変わる場合があります。
• Mac 環境:システム環境設定 > 表示 > カラー設定
• Windows 環境:設定 > システム > 表示 > カラープロファイル
 

本ガイドで使用するキャリブレーターはi1Pro3です。白色版にセットしてキャリレートした後にディスプレイに配置します。



開始ボタンを押し、キャリブレーションを開始します。



本ガイドで使用したX-Rite i1Pro3(分光器)でのキャリブレーション時間は強化ガンマを使用して凡そ22分でした。他の測色計を使用した場合は半分以下のキャリブレーション時間になりると予想致します。



キャリブレーション結果の確認:



レポートでの確認:

キャリブレーションターゲットとキャリブレーション結果が表示されます。
詳細ボタンを押すとグレースケール、RGBの詳細データページを表示します。

プリセット画像、色度図、DeltaEチャートでの確認:

ソフトウェアに用意されたサンプル画像やxy、uv色度図、DeltaEチャートグラフで確認できます。
比較ボタンを押すとキャリブレーション前と後を切り替えて比較することができます。









その他:

・全画面表示、調整前と調整後の比較がボタン切り替えで可能です。
・ユーザーはオリジナル画像を最大で5枚追加することができます。
ー画像フォーマット= jpg,png,tif
ー縦横比=16:9



詳細詳細ボタンを押すとグレースケール、RGBの個々のターゲットとキャリブレーション結果が表示されます。
テキストの色が黄色は色パッチが設定した平均DeltaE値を超えており、テキストが赤字の場合は色パッチが設定した最大DeltaE値を超えていることを示します。
本事例では、合格であり、各パッチが設定した平均DeltaEは超えていません。
 
デルタエラー(dE)とは?
 
DeltaE(ΔE)とは「色差」で、2つの色がLab色空間での距離を数値化したもので、プロファイルされたディスプレイのグレースケールの精度を表示します。近年はカラーマネジメントモニターを選択する上で重要な指標となっています。
これはGammaとRGBバランスの組み合わせで、一般的に3.0(知覚限界は2.3)がJNDしきい値(Just Noticeable Difference)として定義されています。この値を超えると色の違いが視覚的にわかりますが、それ以下であれば人間の視覚では判別できません。
 



レポート保存ボタンを押すと、pdfレポートを出力します。


 

Calmanでリチェックを実施:

・Calman 2023 version 5.14.4.15
・X-Rite i1Pro3
・PortraitDisplays VideoForgePro
・D65,Rec.709,Gamma 2.4
・ルミナンスレベル:16-235



・Grayscale:Avg 0.9
・Gammat:Avg 0.6
・Y Max :97 cd/㎡
 
2024年6月16日アップデート